ワイヤレスイヤホンを買ったら、箱の中に小さなゴムがいくつも入っていた。
歩くとイヤホンが耳から落ちそうになる、1時間ほどで耳が痛くなる、低い音がスカスカに聞こえる。
こうした悩みの多くは、イヤホンの先に付いているイヤーピースが耳に合っていないことから起きています。
イヤーピースとは何か、どう選んでどう付け替えればいいのかを、順番に紹介します。
イヤーピースとはイヤホンの先に付ける耳に当たるゴムのこと
イヤーピースとは、イヤホンの音が出る部分の先に付ける、やわらかいゴムやスポンジのパーツのことです。
イヤーチップやイヤーパッドと呼ばれることもあり、どれも同じものを指しています。
耳の穴に入れて使うカナル型のイヤホンには、ほとんどの機種に付いています。
耳との隙間をふさいで低音と遮音性を保つ
イヤーピースの役目は、イヤホンと耳の穴の間にできる隙間をふさぐことです。
隙間がなくなると、周りの音が入りにくくなり、イヤホンの音がそのまま耳の奥に届きます。
とくに低い音は隙間から逃げやすいので、合っていないと音が軽く聞こえます。
ノイズキャンセリング付きのワイヤレスイヤホンも、イヤーピースで耳をしっかりふさいでいることが前提です。
隙間があると、周りの音を消す効きも弱くなります。
高いイヤホンを買ったのに静かにならないと感じたら、まずイヤーピースを疑ってみてください。
付属のイヤーピースは消耗品で付け替えられる
イヤーピースはイヤホン本体から外せるようになっていて、新しいものに付け替えられます。
多くのワイヤレスイヤホンには、S、M、Lのように大きさの違うものが3〜4サイズ付いてきます。
買ったときに付いているのはMサイズが多いので、そのまま使っている人も多いです。
なくしたり破れたりしたときは、メーカーの純正品を買い直すか、イヤーピースの専門メーカーの製品を選ぶ方法があります。
専門メーカーの製品は、素材や形を変えて、付け心地や音を変えたい人に選ばれています。
素材はシリコンとフォームの2種類で音と手入れが変わる
イヤーピースの素材は、シリコンとフォームの2種類が基本で、音の聞こえ方とお手入れのしやすさが違います。
ワイヤレスイヤホンに最初から付いているのは、ほとんどがシリコンです。
付け替えるときに素材を変えると、同じイヤホンでも聞こえ方が変わります。
| 比べるところ | シリコン | フォーム |
|---|---|---|
| 音の傾向 | こもりにくくクリア | 低音が強く出やすい |
| 遮音性 | フォームより弱め | 高い |
| 水洗い | できるものが多い | できないものが多い |
| 長持ちするか | 長く使える | へたりやすい |
シリコンは水洗いできて音がクリア
シリコンのイヤーピースは、耐久性が高く、水で洗えるものが多いのが特徴です。
音はこもりにくく、高い音まではっきり聞こえる傾向があります。
サイズや色の種類も多いので、はじめて付け替える人はシリコンから選ぶのがおすすめです。
そのぶん、耳への密着はフォームより弱めです。
サイズが少し合っていないだけで隙間ができるので、サイズ選びはていねいにやりましょう。
フォームは耳の中でふくらんで低音と遮音性が上がる
フォームは、低反発のウレタンでできたスポンジ状のイヤーピースです。
指でつぶして耳に入れると、耳の中でゆっくり元の大きさに戻り、耳の穴の形に合わせて密着します。
周りの音がよく消え、低音が強く聞こえるようになります。
電車やバスの中で、音量を上げずに聞きたい人にはフォームが向いています。
ただし水洗いできない製品が多く、使っているうちに少しずつへたってきます。
高い音が少しこもって聞こえると感じる人もいます。
形は砲弾型が基本でひだが重なるフランジ型もある
形は、先が丸くふくらんだ砲弾型がいちばん多く、圧迫感が少ないのが特徴です。
ひだが2段や3段に重なったフランジ型は、耳の奥まで入るので遮音性が高くなります。
ワイヤレスイヤホンで付け替えるなら、まずは砲弾型から選ぶと合わせやすいです。
サイズは付属のSとMとLを左右別々に試して決める
サイズは、付属しているイヤーピースを左右の耳で1つずつ付け比べて、それぞれに合うものを選びます。
最初から付いているMサイズが自分の耳に合っているとは限りません。
市販品を買う前に、手元にある付属品を全部試すのがいちばん早い方法です。
小さいと低音が抜けて大きいと耳が痛くなる
サイズが小さすぎると、耳との間に隙間ができて、低い音が抜けて軽い音になります。
歩いたり話したりしたときに、イヤホンが少しずつ外に出てきて落ちやすくもなります。
反対に大きすぎると、耳の穴が押されて、1時間ほどで耳が痛くなることがあります。
奥まで入らないぶん、音がこもって聞こえることもあります。
付けたときに押される感じが強ければ、1つ小さいサイズを試してください。
左右で違うサイズになるのは普通のこと
耳の穴の大きさや形は、左右で少しずつ違います。
右はM、左はSのように、左右で違うサイズになっても問題ありません。
どちらか片方だけ落ちやすいときは、その耳だけサイズを変えてみましょう。
合っているかは音楽と自分の声で確かめる
サイズが合っているかは、次の順番で確かめられます。
- 低い音がよく入っている、聞き慣れた曲を流す
- イヤホンを指で軽く押し込み、低音が急に大きくなるかを聞く
- 押し込んで音が変わるなら隙間があるので、1つ大きいサイズに替える
- 曲を止めて声を出し、自分の声が少しこもって聞こえるかを確かめる
- 首を左右に振り、軽くジャンプしても落ちないかを見る
押し込んでも音が変わらず、自分の声が少しこもって聞こえれば、耳がしっかりふさがっています。
AirPods Proのように、スマホの設定画面から装着状態を確かめられる機種もあります。
お使いのイヤホンのアプリに、同じような機能がないか見ておくと便利です。
市販品に替えるならノズル径と充電ケースを先に確かめる
市販のイヤーピースを買うときは、イヤホンのノズルの太さと、付けたまま充電ケースに入るかを先に確かめます。
この2つが合わないと、耳には合っても、イヤホンで使えないことがあるからです。
どちらも、イヤーピースのメーカーが対応機種の一覧を出していることが多いです。
ノズルの太さが合わないと外れて耳に残ることがある
ノズルとは、イヤホン本体から出ている、イヤーピースを差し込む筒の部分です。
この太さはイヤホンによって違い、イヤーピースの穴の大きさ(内径)もメーカーごとに違います。
穴がノズルより大きいと、耳から抜くときにイヤーピースだけが耳に残ることがあります。
シリコンはよく伸びるので、多少の差なら付けられることが多いです。
フォームは伸びにくいため、ノズルの太さに合った専用のサイズを選ぶ必要があります。
軸が長いと充電ケースのふたが閉まらない
完全ワイヤレスイヤホンでは、イヤーピースを付けたまま充電ケースにしまいます。
軸が長いイヤーピースや、外側が大きいイヤーピースに替えると、ケースのふたが閉まらなくなることがあります。
ふたが閉まらないと、イヤホンが充電されません。
無理に押し込んでふたを閉めると、充電の接点がずれたり、ケースが壊れたりすることがあります。
完全ワイヤレスイヤホンに付けるなら、軸が短い「完全ワイヤレス対応」と書かれた製品を選ぶと安心です。
買ったあとは、耳に付ける前に一度ケースに入れて、ふたが閉まって充電ランプがつくかを見ておきましょう。
外すときは根元をつまみ付けるときは奥まで押し込む
イヤーピースは、外すときは根元をつまんでまっすぐ引き、付けるときはノズルの奥まで押し込みます。
先のやわらかい部分を引っぱると、破れたり裏返ったりしやすいからです。
はじめて付け替えるときは、次の順番でやってみてください。
外すときの順番
- イヤホン本体をしっかり持つ
- イヤーピースの根元の硬い部分を、指の先でつまむ
- ノズルの向きにまっすぐ引き抜く
すべって抜けにくいときは、根元に爪を少し立てると抜きやすくなります。
ねじりながら引くと、中の筒が切れることがあるので気をつけましょう。
付けるときの順番
- イヤーピースの穴を、ノズルに少し斜めから当てる
- イヤーピースを軽くつぶしながら、ノズルにかぶせる
- 根元がノズルの段差に当たるまで押し込む
- 軽く引っぱって、抜けないかを確かめる
奥まで入っていないと、耳から抜くときにイヤーピースだけが外れやすくなります。
付けたあとに、左右でイヤーピースの高さがそろっているかも見ておきましょう。
シリコンは洗って使いフォームは2〜3か月で替える
シリコンは汚れたら外して水洗いし、フォームは洗わずにへたってきたら新しいものに替えます。
イヤーピースは耳の中に直接入るので、耳あかや汗、皮脂が付きます。
汚れたまま使うと、音の出口がふさがったり、耳がかゆくなったりする原因になります。
シリコンは外して洗いしっかり乾かす
シリコンのイヤーピースは、イヤホンから外して洗います。
- イヤホンからイヤーピースを外す
- ぬるま湯に中性洗剤を少し溶かし、指でやさしく洗う
- 水でよくすすぐ
- 乾いた布で水気をふき、半日ほど置いて中まで乾かす
イヤホン本体は水洗いしないでください。
ノズルの先の汚れは、乾いた綿棒や柔らかいブラシで軽く落とします。
イヤーピースが乾ききる前に付けると、水がノズルに入ることがあるので気をつけましょう。
フォームは弾力が戻らなくなったら交換する
フォームのイヤーピースは、洗えない製品が多いので、乾いた布で表面をふく程度にします。
交換の目安としてよく挙げられているのは、2〜3か月です。
つぶしたあとに元の形に戻るのが遅くなったり、表面が破れてきたりしたら、新しいものに替えましょう。
シリコンも、ずっと使えるわけではありません。
色が変わってきた、ベタつく、形がゆがんで耳に合わなくなったと感じたら交換の時期です。
まずは付属のイヤーピースを左右で付け替えてみる
イヤホンが落ちる、耳が痛い、音が軽いと感じたら、まず付属のイヤーピースを左右で付け替えて試してみましょう。
付属品を全部試しても合わないときに、はじめて市販品を考えれば十分です。
市販品を選ぶときは、次の3つを順番に確かめてください。
イヤーピースの穴がイヤホンのノズルの太さに合うか
付けたまま充電ケースのふたが閉まるか
イヤーピースは小さなパーツですが、付け替えるだけで落ちにくさや聞こえ方が変わります。
サイズが合うと、音量を上げなくても聞き取りやすくなり、耳への負担も減らせます。
手元の付属品を出して、左右の耳で1つずつ試すところから始めてみてください。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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