壁掛けテレビにしたいけれど、金具をどこにどう付ければいいのか分からず、ドリルを持ったまま手が止まっている人は多いです。
テレビが落ちる原因のほとんどは、金具ではなくビスを打った壁の側にあります。
金具の取り付け方法を、壁の確かめ方から金具の選び方、取り付けの順番、賃貸での注意まで順に紹介します。
1. 壁掛けテレビの金具を自分で取り付けられるのは石膏ボードの壁
自分で壁掛けテレビの金具を取り付けられるのは、石膏ボードの壁で、裏に木の柱(間柱)がある場所です。
石膏ボードは、多くの家の部屋の壁に使われている板です。
板そのものはやわらかく、ビスだけを打ってもテレビの重さを支えられません。
そのため、壁の裏にある間柱を探して、そこにビスを打って金具を固定します。
壁の種類ごとに、自分でできるかどうかをまとめると次のとおりです。
| 壁の種類 | 自分で取り付け | 金具の固定のしかた |
|---|---|---|
| 石膏ボード(裏に木の間柱) | できる | 間柱に木ネジで固定 |
| 石膏ボード(裏に軽量鉄骨) | 止め具をそろえればできる | 鉄骨用のビスや専用の止め具で固定 |
| コンクリート | 業者に頼むのがおすすめ | ハンマードリルで穴を開けてアンカーで固定 |
| タイルや塗り壁 | 業者に頼むのがおすすめ | 割れやひびが出ないよう専用の工具で固定 |
| 砂壁や土壁 | 業者に頼むのがおすすめ | 補強の工事をしてから固定 |
壁をたたいてみて、コンコンと軽い音がすれば石膏ボードの可能性が高いです。
コツコツと詰まった音で、画びょうも刺さらないくらい硬いなら、コンクリートの壁と考えてください。
2. 壁掛け金具はVESA規格と耐荷重をテレビに合わせて選ぶ
壁掛け金具は、テレビの裏のネジ穴の間隔(VESA規格)と、テレビの重さに合うものを選びます。
この2つが合っていないと、テレビに金具が付かないか、付いても重さに耐えられません。
金具を買う前に、テレビの裏と説明書で次の3つを確かめておきましょう。
テレビの裏のネジ穴の間隔を測る
テレビの裏には、四角形の角にあたる位置にネジ穴が4つあります。
この穴の横と縦の間隔を決めているのがVESA規格で、100×100mm、200×200mm、400×400mmのように書かれます。
メジャーで穴の中心から中心までを測り、金具の商品ページに書かれた対応サイズの中に入っているか確かめてください。
テレビの説明書や仕様表に、VESAの寸法が書かれていることもあります。
テレビの重さより耐荷重に余裕のある金具を選ぶ
テレビの重さは、スタンドを外した本体だけの重さを見ます。
金具の耐荷重は、その重さよりも余裕のあるものを選びましょう。
アーム式のようにテレビが壁から離れる金具は、壁にかかる力が大きくなるので、耐荷重には特に余裕を持たせておくと安心です。
壁掛け金具の種類は固定式とチルト式とアーム式の3つ
- 固定式。テレビが壁にすき間なく付き、いちばん薄く見えます。角度は変えられません
- チルト式。上下の角度を変えられます。高い位置に掛けて下向きにしたいときに向いています
- アーム式。前後と左右にテレビを動かせます。見る場所が部屋の中で変わる家に向いています
初めて取り付けるなら、部品が少なく重さのかかり方も単純な固定式かチルト式がおすすめです。
テレビのメーカーが専用の壁掛け金具を出している機種もあるので、まずはテレビの説明書で確かめてください。
3. 壁掛けテレビの高さは座った目線に画面の中心を合わせる
壁掛けテレビの高さは、ふだん座る場所から見たときに、目の高さに画面の中心が来るように決めます。
テレビ台に置いていたときより高く付けてしまい、首を上げて見ることになったという声は多いです。
高さを決めるときは、次の流れで確かめると迷いません。
- ソファやいすに座り、床から目の高さまでをメジャーで測る
- テレビの画面の高さを測り、半分の位置を出す
- 目の高さに画面の中心が来る位置を、マスキングテープで壁に貼って印を付ける
- テープを貼った位置を座った場所から見て、窓や照明が画面に映り込まないか確かめる
一度壁掛けにすると、テレビの位置は簡単には動かせません。
テープで画面の大きさの枠を作って、1日そのまま過ごしてみると、高さの違和感に気づきやすくなります。
4. 壁掛けテレビの金具の取り付け方法は6ステップ
金具の取り付けは、間柱を探して印を付け、テレビと壁にそれぞれ金具を付けてから、2人でテレビを掛ける順番で進めます。
1つずつ順に進めれば、初めてでも迷わずに取り付けられます。
ステップ1 下地センサーで間柱の位置を探す
下地センサーを壁に当てて横に動かし、裏に間柱がある位置を探します。
間柱の左右の端を見つけたら、マスキングテープに鉛筆で印を付けます。
木の間柱は、多くの家で約45.5cmの間隔で並んでいます。
1本見つかったら、その間隔の先に次の間柱があるかを確かめると、探す時間が短くなります。
ステップ2 水平器を使って金具を付ける位置に印を付ける
受け金具を壁に当てて、ビスを打つ穴の位置に印を付けます。
このとき水平器を金具に載せて、左右が傾いていないか確かめてください。
少しの傾きでも、テレビを掛けると画面の傾きがはっきり分かります。
ステップ3 テレビの裏にブラケットを付ける
テレビを毛布などの上に画面を下にして置き、スタンドを外します。
金具に付属するネジで、テレビの裏のネジ穴にブラケットを取り付けます。
ネジが長すぎるとテレビの中を傷めることがあるので、金具の説明書でテレビに合う長さのネジを選びます。
ステップ4 壁の間柱に受け金具をビスで固定する
印を付けた位置に、電動ドリルドライバーで受け金具をビスで固定します。
ビスは必ず間柱に効いているかを確かめながら打ちます。
途中で急に軽く入るようになったら、間柱から外れて石膏ボードだけに入っています。
そのビスは抜いて、位置を間柱に合わせ直してください。
ステップ5 2人でテレビを持ち上げて金具に掛ける
テレビは必ず2人以上で持ち上げます。
ブラケットの上側を受け金具に引っかけてから、下側を合わせます。
大きいテレビほど画面がしなりやすいので、画面を押さずに本体の左右のふちを持ってください。
ステップ6 落下防止のネジを締めて配線をまとめる
最後に、金具の落下防止のネジやロックを説明書どおりに締めます。
テレビの下を軽く持ち上げて、外れないことを確かめたら壁掛けテレビの取り付けは完了です。
壁をはう配線は、壁の色に合わせたモールに入れると目立たなくなります。
5. 間柱が無い壁や軽量鉄骨の壁は金具の止め具を替える
テレビを付けたい位置に間柱が無いときや、壁の裏が軽量鉄骨のときは、そのまま木ネジで留めずに、壁に合った止め具に替えます。
ここは取り付け方法の説明で抜けやすく、落下の原因になりやすいところです。
下地センサーと磁石で壁の裏が木か鉄骨かを見分ける
下地センサーで反応があったところに、磁石を当ててみます。
磁石が点々とくっつくなら木の間柱に打たれたビス、縦に長く続けてくっつくなら軽量鉄骨の可能性が高いです。
軽量鉄骨には木ネジが効かないので、鉄骨用のビスや専用の止め具を使います。
間柱の位置とテレビの位置がずれるときは補強板を足す
テレビを付けたい位置と間柱の位置が合わないことはよくあります。
その場合は、2本の間柱をまたぐ長さの木の板を先に間柱へ固定し、その板に金具を付ける方法があります。
石膏ボード用のアンカーだけで金具を留めるのは、テレビの重さを考えると避けたほうがいいです。
6. 賃貸で壁掛けテレビにするなら穴を開ける前に管理会社へ
賃貸で壁に金具を取り付けるときは、穴を開ける前に管理会社か大家さんに相談しましょう。
国土交通省の原状回復のガイドラインでは、重いものを掛けるために開けたネジ穴で、下地のボードの張り替えが必要になるものは、借りた人の負担になるとされています。
テレビの壁掛けはこれに当たることが多いので、退去のときの費用で揉めないよう、先に許可を取っておくのが安全です。
許可が出ないときは、穴を開けずにテレビを壁ぎわに置ける方法を選びます。
- 壁寄せスタンド。床に置くスタンドで、壁掛けテレビに近い見た目になります
- 突っ張り式の柱。床と天井の間に柱を立てて、そこにテレビを付けます
細いピンやホッチキスで留める壁掛け金具もありますが、付けられるテレビの大きさと重さに上限があるので、説明書の条件を確かめてから使ってください。
7. 壁掛けテレビの金具取り付けは下地探しから始める
壁掛けテレビの金具の取り付けでいちばん大事なのは、ビスを間柱にしっかり効かせることです。
取りかかる前に、次の順に確かめておきましょう。
- 壁が石膏ボードかどうかと、裏に間柱があるかを確かめる
- テレビの裏のVESA規格と、本体の重さを確かめる
- 座った目の高さから、テレビを付ける高さを決める
- 賃貸なら、管理会社か大家さんに穴を開けてよいか聞いておく
壁がコンクリートやタイルのときや、間柱が見つからないときは、無理をせず業者に頼むのが安全です。
下地さえ確かめておけば、壁掛けテレビの金具の取り付け自体は半日あれば終わる作業です。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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