ワイヤレスイヤホンの寿命は、電池の劣化で決まり、毎日使って2〜3年、充電の回数にして300〜500回が目安です。音が出なくなるのではなく、1回の充電で聞ける時間が新品の半分ほどに縮んだときが替え時で、3万円のイヤホンでも1,000円のイヤホンでも、電池の寿命はほぼ同じです。捨てるのがもったいないと感じるなら、寿命を1年延ばす使い方が5つあり、寿命が来たあとも、電池交換、有線化、家用に回す、小型家電の回収に出す、の4つの道があります。まず寿命を延ばす手順を書き、そのあとに注意点を並べます。
イヤホンメーカーの電池の説明、リチウムイオン電池の規格、修理窓口の案内、自治体の小型家電回収の案内を合わせて6本確かめ、自分の3組のイヤホンを電池が切れるまで使った記録を足して、手順と注意点の2つに分けて書きます。
寿命の目安。毎日使って2〜3年、充電300〜500回
ワイヤレスイヤホンの電池はリチウムイオンで、満充電と放電を1回と数えて300〜500回で、容量が新品の70〜80%に落ちます。イヤホン本体の電池は30〜80mAhと小さく、毎日1回充電すると1年で365回なので、毎日使う人は1〜2年で持ち時間が縮み始め、2〜3年で新品の半分になります。ケースの電池は本体より大きく、本体より長く持つので、先に弱るのはほぼ本体側です。左右で減り方が違うのは、片方をよく使う、片方がケースの接点と合っていない、のどちらかです。
| 使い方 | 充電の回数(1年) | 持ち時間が半分になる目安 |
|---|---|---|
| 通勤と昼休みで毎日3時間以上 | 約365回 | 1年半〜2年 |
| 平日だけ1〜2時間 | 約200回 | 2〜3年 |
| 週末だけ | 約100回 | 3〜4年(電池の経年劣化で頭打ち) |
寿命を延ばす手順。5つを順に
- ケースを満充電のまま放置しない:ケースを100%のまま充電器につなぎ続けると、ケースの電池が高い電圧で熱を持ち劣化が早まる。充電が終わったらケーブルを抜き、ケースの充電は週2〜3回にする
- 本体を0%まで使い切らない:電池は0%と100%の両端で傷む。20%を切る前にケースに戻し、ケースの電池も20%を切る前に充電する
- 熱い場所に置かない:夏の車内、日なたの窓際、ポケットの中で長時間。45℃を超えると劣化が一気に進む。運動の汗も拭いてからケースに入れる
- 接点を月1回拭く:本体とケースの金属の接点に皮脂と耳あかが付くと、充電が途中で止まり、0%まで落ちて劣化が進む。綿棒を乾いたまま使う
- アプリの電池いたわり設定を入れる:ソニー、Anker、Appleなどは、充電を80〜90%で止める設定か、使う時間を学習して満充電を遅らせる設定がある。設定画面で「バッテリー」の項目を見る
5つのうち効くのは1と2で、ケースを常につなぎっぱなしにする人と、本体を空になるまで使う人は、それをやめるだけで持ち時間の縮みが目に見えて遅くなります。私の3組のうち、ケースを机の充電器に置きっぱなしにした1組は1年半で半分、週2回だけ充電した1組は3年で7割が残りました。
寿命が来たあとの4つの道。捨てる前に順に試す
| 道 | できる条件 | 費用の目安 | 向く人 |
|---|---|---|---|
| 1. メーカーの電池交換・本体交換 | Apple、ソニーなど一部のメーカーだけ。片側ずつ本体を交換する形が多い | 片側5,000〜1万円前後 | 3万円以上のイヤホンで、音とノイズキャンセリングを気に入っている人 |
| 2. 家用・寝る前用に回す | 持ち時間が1〜2時間残っていればできる | 0円 | 外用に新しい1組を買い、古い1組を寝る前の30分や家事に使う人 |
| 3. 片側だけ使う、片側だけ買う | 片側だけ弱った場合。メーカーが片側売りをしていれば | 片側3,000〜1万円 | 左右で減り方が違う人 |
| 4. 小型家電の回収に出す | どの機種でも。自治体の回収ボックス、家電量販店の回収箱 | 0円 | 持ち時間が30分を切った人 |
「もったいない」を減らす一番の道は2で、古い1組を家用に回し、外用だけ新しくすると、古い方は寝る前の30分や台所の1時間なら1年以上使えます。電池交換ができる機種は少なく、できても片側5,000円以上かかるので、2万円以下のイヤホンでは交換より買い替えのほうが安く済みます。4の回収は、燃えないごみに出すのではなく、自治体の小型家電の回収ボックスか、家電量販店の回収箱に入れます。
注意点1:燃えないごみに出さない。電池が発火する
ワイヤレスイヤホンはリチウムイオン電池が入っていて、ごみ収集車やごみ処理施設で押しつぶされると発火します。燃えるごみにも燃えないごみにも出さず、自治体の小型家電の回収ボックス(市役所、公民館、家電量販店に置かれている)か、家電量販店の使用済み小型充電式電池の回収箱に入れます。ケースと本体は分けずに、そのまま入れて構いません。ふくらんだ、熱を持つ、液が漏れたイヤホンは、回収ボックスにも入れず、自治体の環境課に電話して指示を受けます。
注意点2:自分で電池を交換しない
ワイヤレスイヤホンの本体は接着で閉じられていて、電池は基板にはんだ付けされています。自分で開けると、電池を傷つけて発火するか、防水が失われて汗で壊れます。交換はメーカーの窓口か、メーカーが認めた修理店だけに頼み、ネットで売られている交換用電池と分解の動画は、火災の危険があるので使いません。メーカーの交換ができない機種は、2〜4の道に進みます。
注意点3:「寿命」と「故障」を見分ける
| 症状 | 寿命か故障か | 先にすること |
|---|---|---|
| 持ち時間が新品の半分以下 | 寿命(電池の劣化) | 4つの道のどれかへ |
| 片側だけ充電されない | 接点の汚れが多い | 綿棒で接点を拭き、ケースに入れ直す |
| 音が途切れる、つながらない | 故障か設定 | ペアリングを削除して登録し直す。リセットする |
| ケースが充電されない | ケーブルか端子 | 別のケーブルと充電器で試す |
| 2年以内で持ち時間が急に半分 | 電池の不良の可能性 | 保証期間内ならメーカーに問い合わせる |
「寿命」と決めつける前に、接点を拭く、ペアリングをやり直す、別のケーブルで充電する、の3つを試すと、持ち時間以外の症状は半分ほど直ります。持ち時間だけが縮んでいるなら電池の寿命で、これは手入れでは戻りません。買って1年以内に持ち時間が急に落ちた場合は、電池の不良のことがあるので、保証書とレシートを持ってメーカーに聞きます。
注意点4:次に買うときは、電池交換と片側売りがある機種を
次のイヤホンで「もったいない」を減らすなら、買う前に3つを見ます。1つ目は、メーカーが本体の交換や電池のサービスをしているか(Apple、ソニーなどは有償で対応)。2つ目は、片側だけの販売があるか。3つ目は、アプリに充電を80〜90%で止める設定があるか。この3つがそろう機種は、同じ2〜3年でも、片側の劣化や紛失で丸ごと買い替える場面が減ります。価格が高いほど電池が長持ちするわけではないので、価格ではなく、この3つで選びます。
2〜3年で電池が縮む。延ばして、回して、正しく手放す
ワイヤレスイヤホンの寿命は電池で決まり、毎日使って2〜3年、充電300〜500回で持ち時間が半分になります。ケースをつなぎっぱなしにしない、本体を空にしない、熱い場所に置かない、接点を拭く、いたわり設定を入れる、この5つで1年延び、寿命が来たら家用に回すか、交換できる機種なら交換し、最後は小型家電の回収に出す。この流れなら、もったいないと感じずに使い切れます。
まず、今のイヤホンのケースが充電器につなぎっぱなしになっていないかを見てください。つなぎっぱなしなら、抜くだけで、残りの寿命が変わります。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
X(旧Twitter)



