「単焦点プロジェクター」と調べると、短焦点プロジェクターの話がたくさん出てきて混乱しますよね。
この2つは読み方が同じでも、指しているものが違います。
単焦点と短焦点の意味の違い、壁から何cm離せば何インチ映るのか、自分の部屋に合うかどうかの見分け方を順番に紹介します。
単焦点プロジェクターとは多くの場合短焦点プロジェクターのこと
「単焦点プロジェクター」と検索する人の多くが探しているのは、壁の近くから大きく映せる「短焦点プロジェクター」です。
どちらも「たんしょうてん」と読むので、変換のまちがいや聞き違いで「単焦点」と書かれることがよくあります。通販の商品名やレビューでも、2つの言葉が混ざって使われています。
ただ、本来の意味はまったく別です。ここを分けて知っておくと、商品ページを見たときに迷わなくなります。
本来の単焦点はズームできないレンズのこと
単焦点は、レンズの焦点距離が1つに決まっていて、ズームができないという意味です。カメラの「単焦点レンズ」と同じ言葉です。
単焦点レンズのプロジェクターは、レンズで画面の大きさを変えられません。画面を大きくしたいときは本体を壁から離し、小さくしたいときは近づけます。
家庭用の小型プロジェクターには、この単焦点レンズの機種が多いです。
単焦点と違い短焦点は壁から近くても大きく映せる
短焦点は、投写距離が短いという意味です。普通のプロジェクターより壁やスクリーンの近くに置いても、同じ大きさの画面を映せます。
つまり、単焦点は「ズームできるかどうか」、短焦点は「どれだけ近くに置けるか」の話です。
見ているところが違うので、「短焦点で、しかも単焦点レンズ」というプロジェクターもあります。単焦点プロジェクターという言葉だけでは、置く距離までは分からないと覚えておきましょう。
短焦点と普通と超短焦点のプロジェクターは置く距離が違う
100インチを映すのに、普通のプロジェクターは約3m、短焦点は1m前後、超短焦点は壁から数十cmが目安です。
同じ100インチでも、プロジェクターの種類によって置き場所がまったく変わります。
| 種類 | 100インチに必要な距離の目安 | 置く場所の例 |
|---|---|---|
| 普通のプロジェクター | 約2.5〜3.5m | 部屋の後ろの棚や天井 |
| 短焦点プロジェクター | 約1〜1.5m | 部屋の真ん中のテーブル |
| 超短焦点プロジェクター | 壁から数十cm | 壁ぎわのテレビ台 |
表の数字はあくまで目安です。同じ短焦点でも機種ごとに距離が違うので、買う前にメーカーの投写距離表を見てください。
単焦点か短焦点かよりも投写比の数字で見分ける
置く距離を知りたいときに見るのは、商品ページの「投写比」という数字です。
投写比は「投写距離÷画面の横幅」で出す数字で、小さいほど近くから大きく映せます。16:9の100インチは横幅が約221cmなので、次のように計算できます。
- 投写比1.3なら 221cm×1.3=約2.9m
- 投写比0.5なら 221cm×0.5=約1.1m
投写比がおよそ1より小さい機種が短焦点、0.4前後より小さい機種が超短焦点と呼ばれることが多いです。ただ、メーカーによって線の引き方は少し違います。
短焦点プロジェクターが向いているのは6〜8畳の部屋
壁から反対側の壁まで3mない部屋で大きく映したいなら、短焦点プロジェクターが向いています。
6畳の部屋は、短いほうの辺が約2.6mです。普通のプロジェクターで100インチを映そうとすると、距離が足りなくなることがよくあります。
短焦点なら、部屋の真ん中あたりに置くだけで80〜100インチを狙えます。
前を人が通っても短焦点なら影ができにくい
普通のプロジェクターは、本体と壁のあいだを人が通ると画面に影が映ります。
短焦点プロジェクターは壁の近くから映すので、本体と壁のあいだに人が入りにくくなります。小さい子どもやペットがいる家で選ばれることが多いのは、このためです。
天井に付けられない賃貸でも短焦点プロジェクターなら置ける
普通のプロジェクターで大きく映すには、天井に付けるか、部屋の後ろに高い棚を用意することが多いです。
短焦点プロジェクターなら、テーブルやテレビ台に置くだけで済みます。壁や天井に穴をあけられない賃貸の部屋でも使いやすいです。
短焦点プロジェクターが向かない部屋もある
映したい壁の前に棚やソファがあって、本体を壁の近くに置けない部屋には向きません。
部屋の広さに余裕があり、天井に付けられるなら、普通のプロジェクターのほうが選べる機種が多く、同じ明るさでも安く買えることが多いです。
単焦点レンズのプロジェクターは置く距離で画面の大きさを決める
ズームできない単焦点レンズのプロジェクターは、先に画面の大きさを決めて、そこから置く場所を逆算しておくと楽です。
ズームのある機種なら、置き場所が数十cmずれてもレンズで合わせられます。単焦点レンズの機種は本体を動かすしかないので、置く台を先に決めておくのがおすすめです。
単焦点プロジェクターの置き場所を決める順番
- 映したい画面の大きさ(インチ)を決める
- メーカーの投写距離表で、その大きさに必要な距離を見る
- 壁から置きたい場所までの距離をメジャーで測る
- 本体を置く台の高さを、画面の下の端に合わせて決める
- 映してからピントを合わせる
3番で距離が足りないと分かったら、画面を一回り小さくするか、もっと投写比の小さい短焦点の機種を探します。
単焦点プロジェクターの台形補正はできるだけ小さく
本体が壁に対して斜めになっていると、画面が台形にゆがみます。多くのプロジェクターには、このゆがみを直す台形補正が付いています。
ただ、台形補正は映像を内側に縮めて形を整える仕組みなので、強くかけるほど画面が小さくなり、細かい文字がぼやけやすくなります。
先に本体を壁とまっすぐ向き合うように置き、補正は最後の少しだけにしましょう。
短焦点プロジェクターを使う前に確かめたい壁と部屋の明るさ
短焦点プロジェクターは、映す面が平らで、部屋を暗くできるほどきれいに映ります。
近くから大きく映すぶん、壁の状態や部屋の明るさの影響を受けやすいです。
超短焦点は壁の小さな凹凸でも映像がゆがむ
超短焦点プロジェクターは、壁のすぐ下から斜め上に向けて光を当てます。そのため、壁紙の小さな凹凸やスクリーンのたわみが、影や波打ちになって見えます。
白い壁にそのまま映してゆがみが気になるときは、たわみにくいスクリーンを使う人が多いです。
昼のリビングで単焦点プロジェクターを使うなら明るさを見る
プロジェクターの明るさはルーメンという数字で書かれています。
昼間にカーテンを閉めずに見たいなら、2000ルーメン以上を目安にする人が多いです。夜に部屋を暗くして映画を見るのが中心なら、そこまでなくても見られます。
単焦点プロジェクターを探すなら投写距離の表から見る
「単焦点プロジェクター」で探しているなら、名前より先に投写距離を確かめるのがいちばん確実です。
壁の近くから大きく映したいなら、探すのは短焦点か超短焦点のプロジェクターです。ズームできるかどうかを気にしているなら、それは単焦点レンズかズームレンズかの違いです。
まずは部屋の壁から置き場所までをメジャーで測ってみてください。その距離と映したいインチ数が分かれば、投写距離表を見るだけで、どの種類のプロジェクターが合うかが決まります。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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